日本画
桜
category - 日本画
2013/
06/
20
いつからこんなに桜が好きになったんだろう。
子どもの頃は
なんだか、白っぽくて埃っぽいような気がして
どこがいいのかわからなかった。
でも今は桜と聞くと血が騒ぐ。
坂口安吾の「桜の森の満開の下」
梶井基次郎の「桜の樹の下には」
桜を扱った文学もその妖しさを描いたものが多いような気がします。
とにかく今は桜大好き!
さて、
そんなわけで
高齢者向けのサービス付住宅のエントランスに
何か絵を・・・・
と依頼を受け
迷うことなく桜を選んだ私です。
ただ、
描き始めはまだ寒い冬
以前のスケッチ、写真をもとに、福島は会津の桜を取り上げましたが
なかなか進まない・・

下書き開始。
F100号です。
枝ぶりを少しアレンジ

ぐずぐずしていたら
本物の桜が咲きだしました。
合法的に!?
枝を入手。
手元にモデルを・・・

この段階で、
桜の頃には納品・・という約束は虚しいものになったのであります。
K様ごめんなさい。
なぜかなかなか進まないの。

やはり周りに金を入れたくなりました。
金箔も散らそう!

こちらをグループ展にも出させていただきました。
クライアント様にも見に来ていただいて・・
額装はまだですが、
やっと完成!
ふう~・・・

こちらはもう手元にはありませんが、
80号の夜桜です。

こちらは30号
しだれ桜。
宇都宮市役所16階に飾ってあります。
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枕屏風の注文
category - 日本画
2012/
09/
05
友人から、屏風の注文を受けました。
実家から出てきた枕屏風、銀箔貼りのものだが、もう絵は剥落してしまっていて
箔も黒変しているが、そこに新しく絵を入れてもらえないか、という話でした。
実家を改装するのでいろいろ片づけていたら古い屏風が出てきたそうです。
また、その頃、友人は京都の蚤の市で気に入った屏風をみつけたそうで、
新しい家に屏風を飾るのもいいな!と思いついたとのこと。
ただ、見つけた屏風の値段が・・なかなか高価だったそうで、もう少しお手頃価格で屏風が手に入らないかな~と
考えていたようです。
私にも、たくさん払ってくださってもいいんですが・・
ま、いろいろ世話になっている友だちなんで、
それに、基本的にいただいた仕事は断らない主義!?なもので、お引き受けしました。
ただ、その家の設計士さんの考えもあり、銀箔は貼り替えて新しい画面に絵をつけましょうということで、

じゃーん!
こちらが届きました。
ピカピカ。
友人の希望は、お花をたくさん。派手に華やかに琳派っぽく!?
酒井包一の秋草図のような、上品寂しげでなく・・
でも、まかせたから!!
と・・。
はてさて。
私は上品寂しげ系も若冲のような偏執狂的なのも好きですし、
等伯の松林図は世界一くらい好きだし、光琳の紅梅図も神!という感じ・・
ただ、自分が描きこむとだいたい怖い絵になってしまうもので・・。
新しい家の華やかなお祝いの絵としてはどうしたものか。
いろいろ悩みまして、でも、クライアントの意向を重視して、
四面の右から春夏秋冬の花々が咲き乱れる四季草花図をあでやかに描こうと決めました。
まず、原寸大の下図。
線がうすくてよく見えませんね。ごめんなさい。

こちらを屏風に写しました。

木炭や鉛筆、画面にのらないのでカーボン使ったら、
線が強く残ってしまってのちのち、一苦労でした。

途中段階。
そもそも、話が来たのは結構、前のことだったのですが、合間にグループ展、漆かぶれ事件!!
などなどございまして、とりかかりがすごくおそくなってしまったんです。
ごめんね、文子さん・・。

で、こんな感じになりました。
う~ん、ちょっとものたりない。
金箔、金泥を空間にぱらぱら、はらはら蒔いてみました。
ちょっとのりが弱かったか?
イマ一つつきが悪いかも・・。
でも、ごしごしこすったりはしないだろう・・。

立ててななめ横から

こっちからも

平成24年9月9日、
お披露目とのこと。
さあ、急いで急いで。
直接届けるには遠いので、宅配で届けます。

屏風が痛まないようしっかり梱包。

気に入ってくれますように。